滞留型の顧客接点プレイスは、商業施設内などの大型区画で、ワザワザ立地を想定しています。
「ブランドギャラリー」と共用の「コミュニティ・カフェ」から構成されます。
ブランドギャラリーは空間全体で世界観をアピール・体験する演出が施されます。場合によっては共通する世界観を持つ複数のD2Cメーカーが共用することも可能です。
D2Cメーカーのオフ会利用に対応できるコミュニティ・カフェは、通常時はカフェ利用を想定されています。
このような利用想定は、一種の「プチ MICE」と言えます。MICEとは会議や展示会・イベントの総称ですが、リアルな交流が目的ですから、単に会議やイベントを開催するだけでなく、その前後に如何にカジュアルなコミュニケーションを取れるか?が重視されます。
イベント後の交流会が円滑に進行できたり、話題を生みやすい場所での開催を工夫する「ユニークベニュー(特別感)」が、会議・イベント会場の設備スペックと同等以上に重視されます。それほど大規模である必要はありませんが、プチMICEとしての設えが有効になると考えます。
さらにブランドの世界観やコミュニティの交流体験の場としての役割を担うには、全方位型のプレーンな空間よりも、一定の特徴を備えた「曲のある館」の方が有利と言えます。
ベンチマークとしては、若者向けの「109」、ファッション&カルチャーの「パルコ」、サブカルの「中野ブロードウェイ」と言ったところでしょうか?
この顧客接点プレイスでは、時間をかけた顧客体験を想定します。購買モデル「SIPS」に準えると後半部分の I : 確認、P :参加、S :拡散を担います。従ってその運営はb8taのように、顧客の反応を丁寧にフィードバックできるように設計します。様々なセンサー、カメラの設置と教育されたサポートスタッフによる体験支援が必要です。
事業構造もb8taを元に「顧客データを対価にした定額制」が望ましいと考えます。
b8taの場合1区画(60×40㎝)当たり月額30万円で、単純な月坪換算で400万円超となります。
その場所での売り上げを元にした料金としては、非常に高額になりますが、 R&D や販売促進コストとして考えると、適切かも知れません。
どれだけ対価としてのデータの有効性や、集客・話題作りに寄与できるか?が問われます。
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