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推し活と企業連携の考え方 「推し活」文化 ⑥

【内容】

  1. 「推し活」連携の特徴

  2. 「推し活」連携の事例

  3. 「推し活」連携のポイント

1.「推し活」連携の特徴

成熟社会における消費のモチベーションであり、コアになる市場だけでなく、周辺連携により、大きな波及効果を望めそうな「推し活」を企業活動に活かそうというのが、推し活マーケティングです。

「推し活」の最大の効力は、ファンの「伝播力」にあります。

自分の「推し」を、「まだ知らない人たちに知ってほしい」という思いが込められ、伝播させていきます。

これは「誰かのためにすることが、自分の幸せにつながる」という「利他の精神」とも言えます。

アイドルの応援広告を含めた「推し活」の原動力と言えます。

そして推し活の基本は、「自発的な行為」です。

自分と世界とを繋ぐ行動は、常に自分発である必要があります。

ユーザーが、 SNSでシェアしたくなる仕掛けがあると、情報拡散しやすくなります。

しかしその一方で、メディアや企業から「これを宣伝してください」と指示されること対しては、反発を招きます。

このバランスのむずかしさが、「推し活」連携のツボになるのだと言えます。

2.「推し活」連携の事例

企業と推し活との連携では、下記の様な事例があります。

1.ローソン×男性アイドル

コンビニのローソンでは、ジャニーズアイドル「なにわ男子」とのテレビ CMに加えて、店内放送イベントを実施しています。店内に流す音声になにわ男子を起用し、推し活中のファンの来店を促しています。

2.エスビー食品×ボーイズグループ「INI」

同社の「まぜるだけのパスタソース」のプロモーションとして、 INIメンバー11人のそれぞれを「推しスパ」を紹介し、テレビCMやTwitterキャンペーン、コラボパッケージなどを展開しました。

3.カラオケパセラ推し会パック

カラオケチェーン「パセラ」が、推し活の一つであるオフ会やイベント、推しの誕生日のお祝いなどの「推し会パック」を用意しています。

推しのイメージカラーを使ったドリンクやスイーツなど同じ推しを持つファンが集えるプランを提供しています。

3.「推し活」連携のポイント

推し活と企業との連携には、いくつかの留意点があります。

1.「推し」が主役になる工夫

通常の「コラボ」であれば、自社の商品・サービスを主要テーマにしても良いですが、推し活マーケティングにおいては、「推し」を全面に出すべきです。商品やサービスのファンではなく、推しのファンが対象だと言うことを肝に銘じるべきです。

2.「推し」と関連性が持てるもの

提供する商品・サービスとの「こじつけ」は、ファンの反発を買います。

「推し」が大切にされていると、ファンに感じてもらえるようなストーリーを打ち出すことで、推し活に熱心になって貰えます。

3.形として残せる商品にする

持ち運びできて、 SNS投稿できるものなら、写真に収めてもらえます。

具体的な形のないものは、 SNSでの拡散が期待できません。

推し活マーケティングで提案する商品は、SNSで発信できる形の残るものにする必要があります。

4.誰かと共有したくなるもの

ただ推し活商品を購入するだけでは、それ以上の拡散がありません。

ファンが購入してから、誰かと共有したくなり、SNS 拡散までがワンセットとして設計する必要があります。

この様なポイントに配慮された「推し活」連携は、SNS全盛の時代に対応した販促手法だと言えます。

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