【内容】
参画ハードルを下げる
遊びと変化づくり
収益の多極化
1.参画ハードルを下げる
AR技術を活用する利点の一つが、「参画ハードルを下げる」ことにあります。
商業施設にリアル店舗を出店するには、多額の費用が必要です。
坪当たり数十万円の補償金に加え、店舗内装費は設備費用を含めると、坪当たり百万円以上になります。50㎡(約15坪)の店舗出店には、物販店舗で、2,000〜3,000万円、設備費用のかかる飲食店であれば、3,000〜4,000万円が必要になります。
良く「どこの商業施設に行っても、同じような店舗ばかりが並んでいて、代わり映えしない」と揶揄されますが、このような出店費用を準備し、信用調査をクリアできる会社に限りがあるからです。ある商業施設幹部は、「そんな会社は、全国で200〜300社しかない、200テナントを超える大型商業施設を作っていけば、同じ店ばかりになるのは仕方がない」とこぼしていました。
AR技術を活用して、リアル店舗は、コンパクトで最小限の内装に止めれば、出店コストの抑制につながります。
壁面を活用すれば、さらに幅広い人たちの参画が可能になります。
資金力のハードルが低くなれば、それだけ様々な人材・才能との連携が可能になり、魅力あるコンテンツが集積してくるのではないでしょうか。
施設丸ごとYouTube化する事も夢ではありません。
2.遊びと変化づくり
商業施設へのリアル店舗の出店ハードルが高いことは、前述しました。
主にリアル・ハードに関わるコストなので、「店の雰囲気を変えたい」と思っても、なかなか難しいのが現実です。
店舗の内装工事の手間・費用、そして工事期間中の営業ロスなどを考慮すると、4〜5年に一度のリニューアル工事が現実的なのです。
AR技術を駆使することで、この問題もクリアが可能です。
妄想編でも提示したような、話題性のある「裏ショップ」の展開や、季節ごとの変化、クリエイターとのコラボレーションなどについて、手軽なコスト(と工事期間も無し?)で対応することが可能になります。
これからのリアル店舗が、Eコマースへの「顧客誘導ゲート」として位置づけられるのであれば、話題づくり、共創・交流の場として臨機応変な環境づくりが有効だと考えます。
収益の多極化
従来の商業施設は、基本的に「床貸し業」で、施設全体に集客することで、店舗の売り上げに連動した収益を得ていました。
これまでは、「区画床」でしか、得られなかった収益が、
マグネットコンテンツに作品提供する人たち、及び集客した人たちからの収益
商業コンテンツ経由で、 Eコマースの売上と連動した収益
プレイスメディアでの認知×共感に連動した収益
それらを総合した施設全体のファンのデータに関する収益
施設全体の活動に関するスポンサードによる収益
など、様々な収益方策が想定できます。
床貸し業から「顧客接点プラットフォーム業」にアップデートする事で、収益の多極化が可能になるのです。
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