top of page
検索

日本のオルタナティブ・力

先日イギリスの不動産投資会社の知人と話していると「東京への投資魅力」という件で、経済成長力に乏しく、アメリカなどに比べ魅力が無いかというとそうでもなく、彼の顧客の中国人富裕層からすると「もちろんバリバリと運用する場合はアメリカだけれど、東京の方が地理的にも至近だし、日本(=東洋)文化への興味と親近感とも相まって、東京に投資したい」という人が結構いるのだと言います。

そういえば以前、一橋大の楠木建教授の話にも、アジアからの一橋MBAにもアメリカ留学ばかりではなく、人とは少し違う路線で行きたい学生に人気だと言われていました。

「みんな日本の漫画や日本文化にどっぷりと浸かっているし、環境が美しいこと、治安が良いこと、宗教にも寛容なことなどが魅力になっている。きちんとした中身の教育を共通言語で提供できれば、教育のディスティネーションとしてポテンシャルは結構高いのではないか」と言われていました。

さらに経済や学術国際会議でも前後に関西地方での禅体験などの旅行期間をしっかりと盛り込んでいる例が多いと言います。

アメリカやシンガポールはお金があれば楽しめるけれど、日本にはお金で買えないものがいろいろあって、そこに魅力を感じているようです。

このように「経済成長、規模、スピード」などの定量指標だけで競う場合には、東京(日本)の優位性はそれほど高く無いけれど、より長期的、精神的、文化的な定性指標を加えると、魅力があるということです。

特に教育(モノづくりを含む)や医療(療養)などの分野では有効なのだと思います。

東京(日本)のオルタナティブ・力を再認識し、アピールしていくことが次世代競争力になるのだと思いました。

最新記事

すべて表示

先行指標の整理 エリアクオリアの可能性と課題 ②

【内容】 世界の都市総合力ランキング Liveable Well Being City調査 住みたい街ランキング センシュアス・シティ調査 先行指標の課題と検討のポイント     エリアクオリアの開発にあたっては、先行する都市評価指標を整理・研究しました。...

エリマネの効果測定の必要性 クオリアの可能性と課題①

【内容】 街づくり関係者がコミットできる評価指標はないのか? エリアマネジメントの限界 街づくり関係者の困りごと     1.街づくり関係者がコミットできる評価指標は無いのか? 2021年に私たちの研究会の検討会議で 「行政から容積ボーナス以外のインセンティブが無いか?と相...

都市開発の未来 多次元開発 ⑩

【内容】 リアルな顧客接点のゴール 世界観とストーリー価値の提供 ハイブリッド・スパイラルの可能性     1.リアルな顧客接点のゴール コロナ禍を経て変化の激しい流通業界は、2030年までに、下記のような状況に行き着くと想定します。...

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page