第4章 街は余白から面白くなる
― レーンウェイが教えてくれた都市の可能性 ― 【内容】 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません 2.人は「近道」より「寄り道」を楽しみます 3.日本にも眠る「街の余白」を活かせます 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません メルボルンを歩いていて、最も印象に残った場所の一つが「レーンウェイ」です。 細い路地に小さなカフェや雑貨店、ギャラリーが並び、多くの人が思い思いの時間を過ごしています。観光客だけでなく、近くで働く人や地元の人も自然に立ち寄り、街の日常がそこにあります。 もともとレーンウェイは、建物の裏側に設けられたサービス動線でした。荷物の搬入やゴミの収集など、表通りを支えるための裏方の空間だったのです。 しかし、メルボルンではその空間を「街の余白」として捉え直しました。 車ではなく人が歩く場所へ変え、小さな店舗や壁面アートを誘導し、歩くだけで楽しい空間へと育てていったのです。 そこには大規模な再開発はありません。 既にある街の魅力を丁寧に磨き上げるという発想があります。 街の価値は、新しいものをつくることだけで生まれるのではあり
19 分前読了時間: 3分
第3章 街を育てる基本原則
― Mixed Use × Active Frontage が街を変える ― 【内容】 1.用途を混ぜることが街の活力を生みます 2.建物の一階が街の表情を決めます 3.街を設計する時代へ 1.用途を混ぜることが街の活力を生みます メルボルンの街を歩いて最初に感じたのは、「時間によって街の表情が変わる」ということでした。 朝は通勤する人がコーヒーを片手に歩き、昼には近くのオフィスワーカーや観光客がカフェや広場で思い思いの時間を過ごしています。夕方になると仕事帰りの人がレストランやバーへ立ち寄り、夜になっても街には適度な賑わいが続きます。 休日になると、今度は家族連れや学生、旅行者が街の主役になります。 つまり、一日の中で街を利用する人が自然に入れ替わっているのです。 この背景にあるのが、「Mixed Use(ミクストユース)」という考え方です。 住宅、オフィス、商業施設、ホテル、文化施設などを一つのエリアに適度に混在させることで、一日を通じて人の流れを生み出しています。 日本では、住宅地、商業地、業務地を明確に分ける都市計画が中心でした。そのため
3 日前読了時間: 4分
第2章 メルボルンはなぜ世界一住みやすい街になったのか
― 都市再生が生み出した「暮らしの質」― 【内容】 1.メルボルンは20年以上かけて街を育ててきました 2.目指したのは「24時間人が暮らす都心」でした 3.住みやすさは「都市の文化」から生まれました 1.メルボルンは20年以上かけて街を育ててきました オーストラリア第二の都市メルボルンは、現在、「世界で最も住みやすい都市」の一つとして広く知られています。 街を歩いていると、その理由はすぐに分かります。 朝は通勤する人とカフェでくつろぐ人が混ざり合い、昼には広場や公園で思い思いに過ごす人々の姿があります。夕方になるとレストランやバーが賑わい、休日にはヤラ川沿いで家族や友人とゆったりとした時間を楽しむ人々であふれます。 街全体に、人が自然に滞在し、思い思いの時間を楽しむ空気が流れているのです。 しかし、この街並みは最初から存在したわけではありません。 1990年代までのメルボルン中心部は、現在とは大きく異なる街でした。昼間はオフィスワーカーで賑わう一方、夜や休日になると人通りが少なくなる典型的な業務中心都市だったのです。 そこでメルボルン市は、「2
5 日前読了時間: 4分
















