第1章 なぜ今、街づくりをアップデートするのか メルボルンの街づくり ①
― 成長社会から成熟社会へ ― 【内容】 1.現在の街づくりは「高度成長という時代の解答」でした 2.しかし、街を取り巻く前提条件は大きく変わりました 3.これからは「文化を育てる街づくり」が求められます 1.現在の街づくりは「高度成長という時代の解答」でした 私たちが暮らしている都市の多くは、高度経済成長期に形づくられました。 人口が増え、都市へ人が集まり、住宅やオフィスが不足していた時代です。 街づくりに求められたのは、できるだけ多くの人が便利に暮らせる環境を、できるだけ早く整備することでした。 そのため、住宅地、商業地、オフィス街と用途を分け、道路や鉄道を整備し、大規模なビルや商業施設を建設することが都市開発の中心となりました。 不動産ディベロッパーは、社会が求める空間を大量に供給し、日本の経済成長を支えてきました。 住宅不足を解消し、人々の働く場所や買い物をする場所を整えたことは、日本社会にとって大きな役割だったと言えるでしょう。 つまり、現在の街づくりは、「成長社会」という時代の課題に対する最適な解答だったのです。...
5 時間前読了時間: 3分
第10章 しなやかな社会へ 情感資本によるしなやか社会づくり ⑩
【内容】 1.効率だけでは、幸せな社会はつくれません 2.MINYOは、一人ひとりが始められる文化です 3.情感資本が、しなやかな社会を育てます 1.効率だけでは、幸せな社会はつくれません 本シリーズは、「効率が悪い」と言いたいわけではありません。 むしろ、効率はこれからも社会に欠かすことのできない基盤です。 医療も、防災も、交通も、行政も、効率があるから私たちの暮らしは支えられています。 しかし、効率には得意なことと苦手なことがあります。 効率は、物を届けることはできます。 けれど、人に生きる意味を届けることはできません。 効率は、時間を短縮できます。 けれど、人との信頼や愛着を短期間で育てることはできません。 効率は、利益を生み出せます。 けれど、人の喜びや哀しみを分かち合うことはできません。 だから成熟社会では、「効率か文化か」という二者択一ではなく、「効率と文化」という二つの豊かさが必要になります。 効率が暮らしを支え、文化が人生を支える。 この二つがそろって初めて、人は安心して未来を描くことができるのではないでしょうか。...
3 日前読了時間: 4分
第9章 情感資本という新しい豊かさ 情感資本によるしなやかな社会づくり ⑨
【内容】 1.豊かさには、もう一つの「資本」があります 2.MINYOは情感資本を育てます 3.成熟社会は、情感資本を育てる社会になります 1.豊かさには、もう一つの「資本」があります これまで私たちは、「豊かさ」をさまざまな資本によって支えられてきました。 お金や土地、建物といった資産は「経済資本」です。 人と人との信頼やネットワークは「社会資本」と呼ばれています。 どちらも、社会にとって欠かせないものです。 しかし、成熟社会では、それだけでは説明できない豊かさがあります。 例えば、「この街へ帰ってくると安心する」という気持ち。 「この人たちと一緒にいると元気になる」という感覚。 「この店があるから、この街が好きだ」と思えること。 これらは、お金では買えません。 人とのつながりだけでも説明できません。 そこには、その場所で積み重ねてきた思い出や、共に過ごした時間、分かち合ってきた喜びや哀しみがあります。 つまり、人や地域には、長い時間をかけて育まれる「情感の蓄積」があるのです。 私は、この蓄積を「情感資本」と呼びたいと思います。...
5 日前読了時間: 3分
















