第6章 居心地の良い広場には作法がある
― 人は広場ではなく「居心地」に集まる ― 【内容】 1.広場は「イベント会場」ではありません 2.居心地は小さな工夫の積み重ねから生まれます 3.滞在したくなる広場が街を育てます 1.広場は「イベント会場」ではありません メルボルンには大小さまざまな広場があります。 なかでも印象的だったのは、ビクトリア州立図書館前の広場やフェデレーション・スクエアです。 訪れた日も、多くの人が階段に座り、本を読んだり、友人と話したり、昼食を楽しんだりしていました。 特別なイベントが開催されていたわけではありません。 それでも広場には自然と人が集まり、それぞれが思い思いの時間を過ごしています。 日本でも駅前広場や公開空地は数多く整備されています。 しかし、その多くは「イベントを開催する場所」として考えられています。 イベントがある日は賑わいますが、終わると人がいなくなる。 一方、メルボルンの広場は違います。 イベントがなくても、人が集まり、滞在し、日常を楽しむ場所になっています。 つまり、広場の役割はイベントを開催することではありません。 日常を豊かにすることな
6 時間前読了時間: 4分
第5章 水辺は都市最大のサードプレイス
― ヤラ川が教えてくれた「滞在する街」のつくり方 ― 【内容】 1.ヤラ川は「眺める川」ではなく「過ごす川」でした 2.人が集まるのは、水辺ではなく「過ごし方」です 3.日本の水辺も、もっと暮らしに開くことができます 1.ヤラ川は「眺める川」ではなく「過ごす川」でした メルボルンを訪れて驚いたのは、ヤラ川が街の中心的な居場所になっていたことです。 休日になると、多くの人が川沿いを散歩し、芝生に座り、テラスで食事を楽しみ、ただ景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごしています。 川沿いにはレストランやカフェが連なり、遊歩道にはランナーやサイクリスト、犬の散歩を楽しむ人々が行き交います。橋の下には(橋脚を活かした)水上カフェまであり、街全体が川と一体となって暮らしているように感じられました。 印象的だったのは、多くの人が「何かをするため」に来ているのではないことです。 本を読む人、友人と語り合う人、芝生で昼寝をする人、ただベンチに座って川を眺める人。それぞれが思い思いの時間を楽しんでいます。 都市の中に、このような「何もしなくても心地よい場所」がある
1 日前読了時間: 3分
第4章 街は余白から面白くなる
― レーンウェイが教えてくれた都市の可能性 ― 【内容】 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません 2.人は「近道」より「寄り道」を楽しみます 3.日本にも眠る「街の余白」を活かせます 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません メルボルンを歩いていて、最も印象に残った場所の一つが「レーンウェイ」です。 細い路地に小さなカフェや雑貨店、ギャラリーが並び、多くの人が思い思いの時間を過ごしています。観光客だけでなく、近くで働く人や地元の人も自然に立ち寄り、街の日常がそこにあります。 もともとレーンウェイは、建物の裏側に設けられたサービス動線でした。荷物の搬入やゴミの収集など、表通りを支えるための裏方の空間だったのです。 しかし、メルボルンではその空間を「街の余白」として捉え直しました。 車ではなく人が歩く場所へ変え、小さな店舗や壁面アートを誘導し、歩くだけで楽しい空間へと育てていったのです。 そこには大規模な再開発はありません。 既にある街の魅力を丁寧に磨き上げるという発想があります。 街の価値は、新しいものをつくることだけで生まれるのではあり
4 日前読了時間: 3分
















